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二十歳になった日にカットした髪でつくる成人筆、歳を重ねて作る古希筆を作る筆司

世界に名だたる 広島県の熊野筆。
みなさんは、ご存知ですか?
お化粧ブラシでは、女性の憧れのブランドになっているそうです。

筆をつくる職人さんを、筆司と呼びます。
中でもキャリア40年にもなるという伝統工芸士さんが、この 世界に ただひとつの誕生記念筆を作ります。
誕生記念筆とは、読んで そのものズバリ。
  誕生を祝って、お子さんの髪の毛を使った記念の筆のことです。
別名 胎筆ともいわれています。
だいたい7センチくらいは必要だそうです。生後6ヶ月から一年くらい で、カットできるようです。個人差はあるでしょうけれど。
 なんでも、中国から伝来した方法があるようですが、詳しくはわかりま せん。こちらの広島の工房では、届いた髪の毛をデータ用に数本残し あとを、伝統工芸士に託します。
工芸士は、その毛髪の癖を直したり、灰をかけて油分を落としたり、 毛を揃えるという細かい作業をします。そして、そののち、毛髪が きれいに揃ったところで、毛先を麻糸で縛り、根元の毛髪に熱を 与え、毛同士がくっつくことで、毛が抜けるのを防ぎます。
穂先が完成しますと、その太さに合うように、軸の穴を開けるのだそう です。
 これが、私には意外でした。
よく筆の部分が、軸から落ちていた記憶があるのです。
軸は、下まで空洞だったので、あらかじめ決まった大きさに空いていて、 穂先の根元に、糸でも巻いて調節するのだとばかり思っていました。 そして、毛の先(書く側の方)は、あとでカットして、成型するのだと 思っていました。
 そうではなくて、手で微調整しながら、長さを整えていくのです。 道具といえば、手しか使わないくらいの、シンプルな仕事です。 この筆を作った人たちの感想は、皆さん とても記念になったと 価格も お安いしと、大満足でした。
 誕生筆は、始めてカットした髪が、大原則ですが、たとえば、二十歳に なった日にカットした髪でつくる成人筆とか、歳を重ねて作る古希筆とか 記念筆は、応用が利きそうですね。
この誕生筆を作ってくれるのは、こちらのお店の匠たちです。

岡山県指定伝統工芸品/硯を自然に見立てる/高田硯拝見